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2015.07.07
「三療師は、今こそ、リハビリを始めよう」を読んで(J・O)
カテゴリー勉強会
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この本を読んでいるあいだずっと、耳が痛かった。「個人開業神話」この言葉が一体何回出てきただろう。まさに個人開業神話に踊らされて、しまいに挫折した私そのものではないか。この春に廃業した治療院について、私はそれが神話によるものだったからとは考えたこともなかった。自身の努力が足りなかった、治療院周辺の条件が悪かった、あるいは運がなかった、そういったことを漠然と考えていた。しかしこの本を読み終わったいまは違う。ああそうか、あれは神話にすぎなかったからなのだと思うようになった。もちろん、失敗の理由すべてを「神話」のみにおしつけようなどという無自覚は持つまいとは思っているが。

以前鍼灸接骨院で働いていたとき院長の柔道整復師が保険請求において「ある操作」をやっていたことを思い出した。そのとき私はそれがいけないこととは思わなかった。世の中、そんなものなのだろうくらいにしか思わなかった。あまっさえ、柔道整復師の資格を取り足そうとさえ考えた。それらの愚についても本書には繰り返し述べられていた。恥ずかしい限りである。

ホテルでマッサージ師として働いていたとき酔客から受けた侮辱についても思い出した。あのときは収入の高さと安定だけで働いていたからプライド云々については考えたこともなかった。しかしたしかにあのころは単なる「揉み屋さん」だった。

治療院を開業してからの実態は本書にまさに如実に語られている。待ち商売であること、広告には恐ろしく金がかかること、患者が来なければゼロではなくマイナスであること、税金さえ払えないこと、まさにその通りであった。

いまではもう二度と開業はするまいと思っている。いままではそれは「もう懲りたから」だったが、この本を読んだ今では、上岡太一社長によって鋭く分析され鮮やかに説かれた「個人開業神話」ゆえだ。

まがりなりにも治療院での仕事を脱して、そしてこの会社に入ったのは、「私の年齢でも応募できたから」という理由によるものだった。貧乏で惨めな個人事業主より、「会社員」のほうがましだ、くらいの気持ちだった。周辺業者をクライアントにした業界誌の求人広告を見て、応募したのだった。そのとき広告を見ながら「株式会社だなんて珍しいな。しかも鍼灸マッサージ師だけを求めていて、ほかによくあるような柔道整復師やカイロ、学生などは求めていないのだな。」とチラッと思った。ところが入社してからさまざまな話を聞くに及び、さらにまた今回この本を読むにあたり、実はこの点がまさに重要な意味をもっていたということを深く深く認識した。

鍼灸マッサージ師による鍼灸マッサージ師のための組織。そんな独創的かつ画期的な素晴らしい会社で私は働いているのだという自覚を持ちつづけ、これからもさらに顧客と会社と私自身のために働いていこう。今回この本を読んでその気持ちを新たにした。

 

 

J・O