私が鍼灸・マッサージ師の資格を取得するために学校に入学したのは21歳のときでした。今思えば。当時、帳簿や伝票と格闘する毎日がつらく、肩凝りで通院していた鍼灸マッサージという世界に、自由と治療家としての充実した日々がありそうな勝手な思い込みで飛び込んでいました。しかし、就職してすぐ間違いだったと痛感させられました。私の前職は整形外科でしたが、まさに社長のおっしゃるスイッチマンとしての生活がはじまったからです。当時24歳の女子としては、手取りは同世代のOLの友達よりは多少よかったのですが、三年間の資格を取得するために費やした歳月と授業料に、見合うものとは思えませんでした。まさに百姓は生かさぬように殺さすようにといった具合です。約3年間で2つの整形での就業で、私が一番悲しかったのは鍼灸マッサージ師という職業があまりに疎外され、見下されていると感じてしまった事でした。
その一方で、個人開業に対しても、リスクの高さと技術に対する不安から躊躇してしまい、あまりの魅力を感じませんでした。個人開業という神話にすら魅力を感じる事もなくなった私は「元の経理の仕事に復帰したほうがいいかな・・・」まさに「廃業も有りだな・・・」状態でした。そんな時、アメニティーサービスと出会いました。正直言うと、入社当時、これほど長くお世話になるとは思っていませんでした。ただ、この会社は私が今まで求めても裏切られ続けたもの、まさに社長のおっしゃる7つの基準をバランスよく提示してくれたのです。
そしてこのたび『三療師は、今こそ、リハビリを始めよう』を読んで、鍼灸マッサージ師が周辺業種に利用され続けている事、学校や業界専門誌でさえも鍼灸マッサージ師の今日の状況の後押しをしていることに唖然としました。それ以上に、安易に周辺業種での就業を選択してきた自分に情けない気持ちになります。
運良くアメニティーサービスに出会えた私は、まずは周辺業種への就業→開業→失敗→再就職の悪循環から救われた事になります。それだけでなくアメニティーサービスは、さらに社員に対しての次のステップアップをどんどん用意している魅力のある会社だと知りました。
個人開業と師弟制度が根強い業界で、会社組織なだけでも驚きなのに、社員に経営参画の道を開き、そのための勉強精度もあります。利用するしない、努力するしないは個人の能力と人生設計によるものかもしれませんが、機会の平等を与えてくれる会社はこの業界に限らず数少ないと思います。
また業界全体の展望も、鍼灸・マッサージ師だからこそ出来る、必要とされている点で明るいのだと知りました。法令順守という当然のことが、業界内では都合の良い解釈とチェック機能の甘さにつけ込み、ないがしろにされていることに驚かされました。実情を知るほどに、嫌悪感すら感じました。
しかし、鍼灸・マッサージ師の現状を嘆いているのではなく、アメニティーサービスにより、打開する道が開かれたのだからこそ、自分の能力を養いたい、新しいことに挑戦したいと感じました。