著書には様々な項目が列挙されていますが、その中で①「コンプライアンスの重要性」と②「共創会社組織」の2点に関し特に共感を覚えましたので、所感を記載いたします。
①「コンプライアンスの重要性」
近年、ニュースで度々お目にかかる「コンプライアンス」という言葉ですが、日本語では「法令遵守」に相当し、あらゆる分野でその重要性が問われています。企業が存在・存続するための一つの条件がこの法令遵守であると思います。字面から想像すると、単に法律を守っていれば良いような感じですが、個人的にはこの法令遵守という言葉には、その文化や慣習への適応も含まれていると考えております。日本の法律は不文法であり、その時代により解釈の仕方に変化が見られます。従って、その時代に合った解釈(時代のニーズに合った解釈)が必要で、それを遵守して初めて法令遵守といえるのではないかと思います。これは、過去に於いて、「牛肉偽装事件」や「生命保険会社の保険金不払い問題」「ライブドア事件」「無認可施設の利用者拘束問題」「不二家の原料期限切れ使用製品問題」等々、法的にグレーであっても消費者や国民感情を逆なでする様な行為により、それが明るみになった時点でその企業の存在価値が低下若しくは消滅してしまう現実があるからです。
医療業界・介護業界もご多分に漏れず、不正請求や脱税等々コンプライアンスに反したことが日常となっており(全ての機関ではありませんが)、その中にいると法令違反に対し感覚が麻痺し、いつしか自分自身も手を染めていることに違和感を覚えなくなってしまいます。それはすでに末期的な症状だと思います。
著書では、成功へのfirst stepとして、また「プライドを持って仕事をする」こととして、このコンプライアンスから着手する重要性を指摘・提唱されており、個人のみならず、職場環境に於いてもその重要性を指摘・提唱されている点、また保険の不正請求のみならず、財務・税務・労務等幅広い範囲(職場環境)でのコンプライアンスの重要性も指摘・提唱されている点は、大変に共感を覚えました。
②「共創会社組織」
著書冒頭にも出てきます社長の独立開業時代の「年商1700万円・・施術に埋没する日々・・・」の下り、「人生を謳歌すべきである」という格言は非常に共感しました。「収入が十分あっても使う時間がない」、反面「時間はあっても収入がない」、両者とも人生を謳歌するには程遠いと言えます。著書では「200万円と200億円の違い」という項目で明快にその解決策を打ち出しております。個人の営業利益を終結させることで大きな仕事、個人ではできないような大きな仕事をするための資金、人生を謳歌するための時間と資金の両者を確保する、それが著書で言う「共創会社組織」であり非常に共感できる点であります。また、共創会社組織には異業種との交わり、著書でいうところのインテレクトディレクターの存在は、組織として向上する上で必要不可欠であると思います。「共創」、各異業種のスペシャリストが、単にワークシェアのみに終わらず、より高い次元で交わる(共に仕事する)ことによって、共に創造していく組織、異業種だからこそ客観的で自浄作用も働く組織、それが「共創会社組織」であると考えますし、その点でも共感を覚えました。
以上、特に共感を覚えた2点に関して所感を述べさせて頂きました。